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edax的発想①

お久しぶりです。
山川七段王座戦優勝おめでとう記念に、久しぶりにオセロの内容に関することを書いてみます。
といっても、最近はほとんどオセロをやっておらず、
以前やっていた時期に発見したことを思い出して吐きだすだけなので、
内容はいい加減かもしれません。


さて、さっそくですが以下の盤面を見てみて下さい。

7.png

白番

とあるよくある定石進行からの変化手順なので、
この定石に詳しい人は心当たりがあるかと思いますが
そのあたりはスルーでお願いします。

この局面、A6もE3⇒D8の展開も白にとっては良くないため、
右辺で工夫して黒にウィングを作らせて、G8からウィング攻めするのが凌ぎの構想になるかと思います。
というか、そうしないと白は不利になってしまいます。

8.png


参考図、白はこんな感でウィング攻めしたい。


で、右辺で黒にウィングを作らせたいわけですが、
手順として考えられるのは下記の2通りです。

① H5⇒H4⇒H3⇒H2⇒G8

② H3⇒H3⇒H5⇒H2⇒G8

どちらでも参考図のようにウィング攻めができるような気がしますが、
強い人なら②はH3のあとにH5もあるなぁと考えると思います。
H3⇒H5⇒H4⇒H2…でも同じようにウィングができるわけですが、
この場合はウィングができたときにF6やF4の石が白になるという違いがあり、
この違いがどう転ぶかはさておき、H3からの手順だと次がH4の場合とH5の場合を両方気にする必要が出てきます。

「この分岐はめんどくさいぞ、①なら相手に選択の余地を与えずウィング攻めができそうだ」
ということで①を選ぶ人がたぶんきっといると思うんですよね。


…なんですが、実は①の初手H5は緩手なのです。
その理由を考えてみましょう。

9.png

H5と打った盤面が上の図です。
ここまできたら気付く人も多いと思いますが、実はこの局面で
H4をスルーしてC8に打つのが好手になります。

10.png

これを打たれると、白としてはスルーすると手損なので
まぁ普通はD8にもぐると思います。
で、黒はC8でできたE6の種石を利用して、E3に気持ちよく着手。
以下、自然にH4⇒H3と進むと…

11.png

白番

なぜか白が若干苦しそうな局面になってしまうのです。


話を戻すと、最初の盤面で初手H5に対しては黒のC8からの好手順があるので、
H5は緩手、という結論になります。
もちろん、実戦でここまで考えてH3とH5の良し悪しを考えるのは難しいと思うので、
今回の記事で言いたいのは最初の図でH5を却下できるようになろう、ということではありません。

では何が言いたいのかというと、
上のC8⇒D8のように、「自分から辺に打って一個空を作ってその間にもぐらせる」
という交換が、場合によっては好手順になることがある
、ということです(※1)。

もちろん、それによって相手の石が内側にくる「爆弾」の一種ができることになり、
その爆弾が有効に機能しないことがこの手順が好手になる最低条件なので、
(ふつう、相手の石が内側にくる爆弾はあまり良くない形と言われます)
使いこなすにはかなりの棋力が要求される高等手筋ですね。
ですが、強い人は頭の片隅に置いておくと、オセロの中盤の発想が拡がって面白いかもしれません。


さて、最後にタイトルの話ですが、
今回紹介したような、「辺に自分から一個空けて打って、そこに相手にもぐらせて形を整える」
という手筋は、僕の印象だとZebraが苦手にする部類の手筋だと思います。
どちらかといえばZebraは、辺に自分から着手する手をあまり好まない傾向があるので、
(もちろん分かりやすい辺の好手は、ゼブラでもちゃんと評価してくれますが)
今回のような手は、消去法的には発見できても、積極的に良い手であると判断することは少ないようです。

これに対して、Ntest や edax のような中盤がより強いソフトは、
今回のような人間には一見強引に見えるような辺絡みの手順を、
けっこう好手として評価してくれます。(そして、実際に評価通りに終盤で勝ち確になったりする)
なので、今回のような手順もゼブラで研究してた時代はあまり見なかったような気がしますが、
edaxで研究してるとけっこう出てきます。
よって、われわれ人類ももう一段階レベルアップするためには、
こういう「新しい」手筋も取り入れていく必要があるのではないかと。

似たような手順が出てくる展開をいくつか知ってるので、
また機会があれば紹介したいと思います。
しかしおそらくその機会が訪れる可能性は少ないと言わざるをえないでしょう。

おわり。




※1「自分から辺に打って一個空を作ってその間にもぐらせる」という書き方は下手で、
  この定義だと普通によくある手筋も含んでしまいます。
  今回のような手順だけを指すように定義するにはどうすればいいのかよく分からないんですが、
  少なくとも下記の特徴を持つことが、今回の手筋の条件になります。

  ・もぐらせた後に切り返す手筋は普通によく出てきますが、今回のは単にもぐらせるだけ。
  ・もぐったときに、斜めがドバっと返ったりするからもぐらせるのが良い、という手筋もよくありますが、
   今回のは一見すると単に交換しただけのように見える。







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いや、勉強になります。
また、第二弾もお願いします。

h5に対して単にe3に打つ手とは何が違うのかにも少しは言及しよう!

心配しなくても、そもそも右辺をウィングにしてって発想までたどり着けません!(少なくとも僕は

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プロフィール

すりっぱ

Author:すりっぱ
性別…♂
お住まい…京都
年齢…29
オセロ大会暦…11年
オセロの段位…六段

三大メジャー大会の最高成績
名人戦:3位
全日本選手権:4位
王座戦:準優勝
こう書くとあたかも強い人であるかのように
見える不思議
今年の目標はこの中のどれか一つを
更新することです。
…って書いとけばもうこのスペースを
毎年更新する必要もなさそうだ、と。

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